検定は、仮説検定や統計的仮説検定ともいい、母集団の母数 $\theta$ (母平均 $\mu$ や母分散 $\sigma^2$ など)に関する仮説$H_{0}$を標本から検証する手法です。 仮説(hypothesis)には 帰無仮説対立仮説 があり、検定を行うため立てる仮説のことを帰無仮説 $H_{0}: \theta = \theta_{0}$ 、帰無仮説に対する仮説のことを対立仮説 $H_{1}: \theta \neq \theta_{0}$ といいます。 検定では、データ(母集団から無作為に抽出した標本 $X_{1}, X_{2}, \cdots , X_{n}$)から算出された検定統計量(確率変数 $Z = \dfrac{\bar{X} - \mu_{0}}{\sqrt{\dfrac{s^2}{n}}} $ や $T = \displaystyle \sum_{i=1}^n \dfrac{(X_{i} - \bar{X})^2}{\sigma^2} $) より極端な値をとる確率が有意水準 $\alpha$ (危険率 $\alpha$ )と比較して大きいか、小さいかによって帰無仮説を棄却し対立仮説を支持するか、または帰無仮説を棄却しないかを判断します。
 手順を理解すると分かりやすいので、以下に検定の流れを記します。 1)帰無仮説$H_{0}: \theta = \theta_{0}$ を立てる(帰無仮説が正しいと仮定する)。 2)事前に有意水準 $\alpha$ (帰無仮説を棄却する基準)を決める。有意水準は一般的には 0.05か 0.01と設定されることが多いです。 3)母集団から無作為に抽出した標本 $X_{1}, X_{2}, \cdots , X_{n}$)から検定統計量を算出する。 4)検定統計量が従う分布から、事前に設定した有意水準 $\alpha$ による棄却域 $R$ を定める 5)検定統計量の実現値が棄却域 $R$ に入るか、入らないかを確かめ、   a) 棄却域 $R$ に入る場合は、(帰無)仮説 $H_{0}$ は棄却される(対立仮説が正しいと言える)。   b) 棄却域 $R$ に入る場合は、(帰無)仮説 $H_{0}$ は棄却されない(対立仮説が正しいと言えない)。 統計学について、さらに詳しく学びたい方には、以下の本がおすすめです(楽天のサイトにとびます)。
     
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